はけって何?

写真1:くじら山はらっぱからはけを望む

イントロダクション

高浜: 本日は雪も残り、お寒い中、予想を上回るご来場をいただきまして驚いております。ありがとうございます。「はけ」について、いろいろな立場の方とディスカッションしながら掘り下げていければと思います。

主催者挨拶(尾崎): 今日このような機会をもてたことを嬉しく思います。この場所はすでに崖線の上です。この建物は極力環境を損なわないように高さを抑えて、緑地を保全しながら維持しております。

東京経済大学は赤坂からこの地に移転しました。武蔵野段丘と立川段丘両方を包含している、ユニークなキャンパスです。高低差は20mです。昔はわさび田のあった湧水でしたが都市化の中、地下水が近年減ってきています。地下水保全等の課題があります。

国分寺崖線は、長い緑の回廊といえます。連なっているさまざまな地域の方との地域連携はどうあるべきかを議論できたらと思います。

高浜: それではまず、「はけ」ってなーに?というところから、「はけの自然と文化を守る会」共同代表の安田桂子さんからです。

はけって何?

安田: 「はけ」には水があって生きものがいて、大人も子供ものんびりできます。私たちは多摩川水系にいるんだなと、地図を作った時に実感しました。

「はけ」に住んで10年になります。地元でフリーペーパーを作っていて、「坂上、坂下、うそほんと」という特集は反響があった号です。「はけ」の風景をお見せします。今は紅葉がとてもきれいです。第一調整池という空き地には、田んぼがあったり、ビオトープを作ったりしています。東京都の自然再生事業の一環です。田んぼができて野鳥が増えました。

ここはくじら山の原っぱです(写真1)。とても自由度の高いところです。原っぱに立って崖線をのぞむと、すごく空が広いです。よく行きますが、行くたびに感動します。これは霧が出てとても幻想的、神秘的な風景でした(写真2)。季節や時間でいろんな表情がみられて、日常的に発見、感動があります。子供の通学路も「はけ」沿いですが、1kmにひとつも信号がないという環境に感謝しています。

写真2:霧の第2調節池

武蔵野公園の西側にムジナ坂があります。ここの旧富永邸で作家の大岡昇平さんが、武蔵野夫人の構想を練ったとされています。そんな場所が生活圏にあるんだなと思いました。「き・まま」の特集で知りました。

そういうすばらしい夢のような場所なんですが、道路計画があり、どうなってしまうのかなと心配です。

Chapter2:東西お寺の今昔対談