からだのおしゃべり~安全な避妊・中絶と出産~:森冬美

からだを知ろう

からだのおしゃべり~安全な避妊・中絶と出産~:森冬美著(亜紀出版)

幼い頃怖い夢をよく見たが、それは世の中という得体の知れないものへの、無意識の恐怖だろう。 知らない(全体が見通せない)のに体験「させられる」ことは、恐怖のもとである。女にとって、お産はそのひとつだ。
太古の昔から繰り返されてきた妊娠・出産の営みであるが、現状ではすっかり病院にお任せで、14年前に第3子を産んだ私も3人とも病院で、それ以外の方法など考えもつかなかった。 一体いつから、私たちは自分の体を、商品としてのサービス、サービスとしての医療に持っていかれてしまったのだろう。 妊娠・出産にしても、ジャーナリズムや、性にまつわる様々な企業の仕組む仕掛けの中を通り過ぎるだけで、産んだのに、結局自分の体と向き合うこともなく、相変わらず、どこがどうなってたのかわからぬままだ。 そして次は、わけもわからず産んだ子を、教育産業に奪われる・・・。

古代の日本語では「知る」ということは、単に知識を得ることではなく、熟知し(実感としてわかり)、さらには統治する意味をも含んだという。つまり知ることは、統治することへの第一歩だといえる。 「からだのおしゃべり」は、からだのおしゃべり会に集う女たちが、からだのおしゃべり(リズム)に耳を傾け、大事にしよう、「知ろう」としてきた10年間の集大成。 わが娘たちも、はや娘ざかりだ。「女のからだ、私たち自身!」一緒に読んでみようか!

よしの