不思議の翻訳家:米村傳治郎

一本のひもを使って米村さんが小さな箱を操ると、その透明な箱の中でこまが回り続ける「地球ごま」に変身。淡々と、でも楽しそうに実験を見せてくれる米村さんのそばで、子どもたちだけでなく大人たちも「えっ、不思議。おもしろーい」と心が解き放たれていくよう。目が輝く。

「実験の達人」米村さんの専門は物理。 オリジナルの実験で授業をするユニークな高校の先生から、好きな実験を通して子どもたちに科学のおもしろさを伝えたいと、今春からフリーに転身しました。

「お風呂を沸かすとき時々かき混ぜたほうがいいのかそのままの方が早く沸くのか、といった生活の知恵的なものにも科学が隠されている。 音楽や文学がなかったら人生がつまらなくなるように、科学がなかったら人生はさみしいでしょう」

科学技術の成果に囲まれていながら科学を実感できない私たちに、「不思議」を手作りで翻訳します。

サイエンス・プロデューサー

vol.56(1996年7-8月)より