イントロダクション

はじめに

小倉:総会は儀式的なものということでしたが今度は少し形を変えて、せっかく人が集まっていて何か面白い話ができないかということで、雨風トークセッションというものを企画しました。まず、この会のセッティング・ブッキングをしていただいた野口さんから一言。

野口:先日小金井市議会を傍聴して知ったが、施設の「雨デモ風デモハウス」という名前が変わるかも知れない。雨デモ風デモハウスという名前を活かすにはどうしたらよいかを、このセッションを通じて考えることができればよいと考えている。今日は、記録を録らせていただくことをご了承ください。

小倉:今日の目的の1つは、普段なかなか接点の無い方が出会う場所になっているので、出会いの場にしたいということと、もう一つは、小金井市という町の持つ、緑やきれいな水などの資源をどう生かしていくかを、現状を共有しながら雨デモ風デモハウスのプロジェクトでやってきたことを元にして考えていきたい。5人の方の自己紹介の前に、スペシャルゲストとして小金井市議会の議長、野見山さんから一言。

野見山:3月の終わりに施設使用の条例が提案され、先月全会一致で可決された。しかしその過程の中で、7月からの施行なのに9月になるといわれたり、色々なことがあまり説明されておらずその中で判断をしなくてはいけなかった。市民協働でできたという認識についても、議会の中でバラバラな状態。今後は、徹底的に議論して考えていきたいと思う。

自己紹介

小倉:出演者の自己紹介は、ライフラボ副代表の土肥さんから。

土肥:もともと小金井ではNPOグリーンネックレスの代表で、企画の最初から携わってきた。普段の仕事では、色んな自治体で行政と市民・企業・利用者をくっつけて新しい枠組みを立ち上げて、そこで本来的にみんなが望んでいる生活・安全・安心を実現しようという取組みをしている。そういう枠組みをどうやってうまく動かせるのか、というのが私の今の課題。小金井市との関わりは、子供の頃から住んでいるが新住民系なので、土着の人たちとの関係は必ずしも無い。そういう人たちとのコミュニケーションをもうちょっとうまくできると、もっと住みやすい小金井になっていくと思う。

長島:多摩信用金庫、価値創造事業部の長島です。22歳の時に一番最初に携わった外交活動が、黒岩さんの会社の立ち上げだった。また、野口さんとのつきあいも20年以上経つ。この仕事を通じて、地域の色んな人との出会いがあった。市民の活動が盛んになってきており、そうした活動をうまくつなぎあわせることが、これからの日本にとって必要なことだと感じている。それをうまくまとめる裏方的な役割を果たしていきたい。

小倉:黒岩さんの話がでてきたので、黒岩さんから自己紹介を。

黒岩:黒岩です。雨デモ風デモハウスでは、主にエクセルギーシステムの技術者として関わっています。エコハウスの技術は沢山あるが、電気をたくさん使うものが多い。エクセルギーハウスは電気を使わない技術で、それを市民が作るのであればということで東京都が全面的に応援してくれた。1年間で小金井市のたくさんの方に集まっていただいて、色んな方々の協力の元に成り立っている。

明珍:毎日新聞記者の明珍です。持続可能な暮らしをテーマにしており、みなさんと一緒に考えてお伝えしていきたい。これまでも新聞などで雨デモ風デモハウスを紹介したが、これは一つの大きな取り組みと考えている。小金井市とのかかわりは、以前、武蔵野支局に勤めていたころに、野口さんや黒岩さんと出会ったのがきっかけ。黒岩さんたちの活動から、建築というものがとても大切なもので、私たちがどういう暮らしをしていくかを、私たち自身が考えていくことが大切だと考えている。

高橋:高橋金一といいます。小金井に何もなかった江戸時代に入植してきた高橋一族の末裔です。現在、JA東京むさしにある青年部後継者の会の顧問相談員をしています。小金井市では、農業委員会の職務代理をしております。以前は植木の農業生産をしていたが、今は野菜の生産をしており、主に江戸東京野菜を勉強している。現在、ほとんどの野菜はコントロールされており、遺伝的な影響が心配されている。これから先の農家にとっては、自分の種を持つことが大事になると思っている。また、「食育」について、現在21人の議員を集めて条例づくりを進めている。

加藤:加藤春惠子です。40年くらい社会学者として、ずっとコミュニケーションという観点から取り組んできた。ロンドンの人種問題などでトラブルの多かった町で、市民が中心となってまちづくりをしたときに、5年ぐらいかけてフィールドワークに取り組んだ。こちらで最初に関わったのは、福祉市民社会を作るコミュニティで、小金井市のことや、環境関連についてはビギナーである。雨風ハウスで使われている専門用語は分かりにくい。市民にわかってもらうのが行政の立場なので、うちうちのコミュニケーションにならないようにしていく場面だろうと思っている。